FPコア(不動産)❷ 敷地面積の計算と建ぺい率/容積率の基礎

「FPコア」では、FP試験(業務)に関する基礎知識を取り上げたいと思います。
今回は不動産分野から3級実技試験に頻出の建蔽率/容積率の基本です。

敷地面積の計算

敷地面積とは、土地の面積です。

FP試験では、敷地面積 = 縦(m) × 横(m)で求めます。長方形の面積を求める要領なので簡単ですね。

FP試験では、不整形地(いびつな形の土地)の面積を求める問題は出ませんので、「面積=たて × 横」だけ知っていれば十分です。

なお、土地面積に関しては、FP試験では”㎡” 単位だけで良いのですが、日常的には”坪”が良く使われるので、こちらも押さえておきましょう。

一般に、1坪 ≒ 3.3㎡ですが、正確に言うと1坪=1㎡ ÷ 0.3025 ≒ 3.3057…㎡です。
0.3025という数値は不動産業者も良く使うので、これを知っておくと、ちょっとプロっぽい感じがしますね。

建ぺい率と容積率の計算

敷地面積200㎡の土地上に、上記のような(2階部分が少し張り出した)2階建ての建物が建っているとします。この場合の建ぺい率を計算してみましょう。

建ぺい率 = 建築面積 ÷ 敷地面積で計算します。

建築面積は、建物の水平投影面積(=建物を真上から見たときの面積)です。

上記のような建物の場合は、建築面積は110㎡となり、建ぺい率は55%(110㎡ ÷ 200㎡)と計算されます。

次は容積率です。

容積率= 延べ床面積 ÷ 敷地面積で計算します。
(建物の)延べ床面積は、1F,2Fの床面積を合計して、200㎡(=90㎡+110㎡)と計算できます。
よって、容積率=200㎡ (延床面積)÷ 200㎡(敷地面積)=100%です。

過去問に挑戦

容積率の少し発展的な話

容積率とは、「敷地面積に対する建物延べ面積割合」を意味します。
簡単に言えば、土地上に建てられる建物の大きさですが、法律(都市計画法や建築基準法)では、容積率の最高限度が定められています。

例えば、容積率が300%の土地の場合、土地面積の3倍までの大きさ(広さ)の建物が建てられるということを意味します。

また、容積率には「指定容積率」、「基準容積率」、「使用容積率」という用語があります。

指定容積率とは、都市計画法で定められる容積率の最高限度を意味します。一方、基準容積率とは、指定容積率と前面道路の幅員で定まる容積率のうち、いずれか小さい方の容積率を意味します。

例えば、指定容積率が300%、前面道路の幅員で定まる容積率が240%の場合、基準容積率は240%となり、土地面積の2.4倍までの大きさの建物が建てられることになります。

「使用容積率」はFP試験には登場しませんが、土地上にある建物の実際の容積率を意味します。

例えば、基準容積率が240%で、使用容積率が120%の建物の場合、(容積率でみると)だいぶ余裕があるといえます。使用容積率が基準容積率に比べてかなり低い建物(特に、事務所や店舗など商業系の建物)の場合、「土地があまり有効利用されていない(=十分な収益を生んでいない)」可能性があります。

FP3級 実技試験では、前面道路幅員で定まる容積率を計算させる問題が毎回出ますので、解説を楽しみに待っていてください。

また、建ぺい率の計算もFP3級実技試験で頻出なので、こちらも実際の実技試験の過去問題を使って解説する予定です。

過去問の引用について

一般社団法人金融財政事情研究会 「ファイナンシャルプランニング・技能検定」の試験問題の利用許諾

・1級学科試験・1級実技試験
・2級学科試験・2級実技試験(個人資産相談業務及び中小事業主資産相談業務)
・3級学科試験・3級実技試験(個人資産相談業務)
   2022年3月23日 【許諾番号】2203K000004

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