FP1級合格者の私がFP1級の解説をしない理由

私はFP1級合格者ですが、このサイトでは(FP1級の問題は使わず)FP3級とFP2級の試験問題を題材にすることを考えています。
(当面はFP3級の問題を扱うことを考えています。)

FP1級の問題を利用しない最大の理由は、FP1級の試験問題がマニアック過ぎることにあります。

例えば、私が受験した2021年9月度のFP1級学科試験の問1は、「後期高齢者医療制度」に関する以下のような問題でした。

1級の問題

正解選択肢(不適切な肢)は3)で、賦課限度額の金額(正解は66万円)が違っているわけですが、正直、この知識が”FPのコア・ナレッジ”に含まれるとは思えません。

FP1級は「落とす試験」という試験の性格上、こうした(マニアックな)問題が少なからず出題されます。よって、コア・ナレッジの題材として適していないという印象を持っています。

もちろん、1級の試験問題の中にも(難度はそれなりに高いものの)役に立つ問題(コア・ナレッジに該当しそうなもの)も含まれていますが、しばらくの間はそこまで手が回りそうもありません。

次に、FP2級試験について、同じ「後期高齢者医療制度」の分野に係る問題があったので、比較したいと思います。

2級の問題

問題がやや古いため、当時の正解選択肢4(1割と3割の2区分)が2023年現在では不適切な選択肢になっています。
選択肢2の「年収金額」はやや細かい論点ですが、「被扶養者」のヒッカケ(後期高齢者医療制度には被扶養者の概念がないこと)に気づけば、誤りと分かります。
したがって、全体として(FPが知っておいた方が良い)コア・ナレッジの範疇にあると思われます。

それでは、最後にFP3級の「後期高齢者医療制度」の問題です。

3級の問題

この問題は、「75歳になると全員が後期高齢者医療制度に移行する」という基本事項さえ知っていれば解ける問題です。なお、65歳以上75歳未満で一定の障害状態にあると認定された人も後期高齢者医療制度の被保険者になるという記述は応用論点に入ります。

なお、年収の多寡によって保険料が1割・2割・3割の間で変化する(保険料は一律ではない)というポイントは、「コア・ナレッジ」の範疇だと思いますので、3級のこの問題だけではやや不足しているという印象もあります。

このように、同じ「後期高齢者医療制度」を扱った問題で3級、2級、1級で大きな差があるわけです。
「何をもってFPコア・ナレッジとするか」は難しいのですが、3級と2級のあたりにラインがあるのではないかと考えています。

これが、当サイトでFP3級と2級(当面は3級)の試験問題を扱う理由となります。

過去問の引用について

一般社団法人金融財政事情研究会 「ファイナンシャルプランニング・技能検定」の試験問題の利用許諾

・1級学科試験・1級実技試験
・2級学科試験・2級実技試験(個人資産相談業務及び中小事業主資産相談業務)
・3級学科試験・3級実技試験(個人資産相談業務)
   2022年3月23日 【許諾番号】2203K000004

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