FPコア(不動産)3級実技試験 ①( 建ぺい率/容積率)

FP3級実技(きんざいの個人資産相談業務)の不動産(第4問)で毎回出題される「建ぺい率」と「容積率」について、要点を解説します。

指定建ぺい率/建築面積  と 指定容積率/延べ面積 の上限計算

前回の記事の復習です。

建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合で、「建ぺい率=建築面積 ÷ 敷地面積」で計算できます。

建ぺい率の上限は都市計画で決まっており、これを「指定建ぺい率」と言います。
つまり、建築面積の最高限度は以下の式で計算できます。

建築面積の最高限度(㎡)=敷地面積(㎡)× 建ぺい率(%) 

例えば、敷地面積が200㎡、(指定)建蔽率が60%の場合、建築面積の上限=200㎡ × 60%=120㎡と計算します。

一方、容積率は敷地面積に対する延べ(床)面積の割合で、容積率=延べ面積 ÷ 敷地面積で計算できます。

容積率の上限も都市計画で決まっており、これを「指定容積率」と言います。
つまり、延べ面積の最高限度は以下の式で計算できます。

延べ面積の最高限度(㎡)=敷地面積(㎡)×容積率(%)

例えば、敷地面積が200㎡、(指定)容積率が150%の場合、延べ面積の上限=200㎡ ×150%=300㎡と計算します。

以上が建ぺい率と建築面積の上限、容積率と延べ面積の上限に関する基礎知識です。

建ぺい率の緩和措置

前述の通り、指定建ぺい率(上限)は都市計画で決められていますが、これが緩和されるケースがあり、FP3級実技試験の問題では頻出です。

建ぺい率の緩和措置は、大きく3パターンあります。

❶防火地域 または 準防火地域のパターン

まず、「防火地域 + 耐火建築」 または 「準防火地域 + 耐火(準耐火)建築」のパターンです。

この場合、建ぺい率が+10%となります。

防火(準防火)地域は、火災の危険性を防除する(防いで除外する)地域として都市計画で指定され、その地域内で建物を建てる場合には火災に強い建物(耐火建築物や準耐火建築物等)を建築する必要があります。

火災に関する規制が強さは、「防火地域 > 準防火地域」です。

❷ 角地

特定行政庁の指定する「角地」については、建ぺい率が+10%となります。角地とは、以下のような土地です。

特定行政庁は役所の一種と考えれば良いでしょう。また、特定行政庁が指定していない「単なる角地」では建ぺい率の緩和措置がありませんが、FP3級で問われることはないと思います。

なお、「角地」の場合に建ぺい率の緩和措置が受けられる理由としては、角地の場合(少なくとも2方向の道路に面しているので)隣接する建物から(道路の分だけ)離れていて十分な空間があるということが挙げられます。

❸ 建ぺい率80%で「防火地域 + 耐火建築」

「防火地域+耐火建築」の場合(先に見たように)、建ぺい率は+10%となりますが、建ぺい率が80%の場合(近隣商業地域など)で「防火地域内」で「耐火建築物」を建てる場合、建ぺい率は20%アップして100%になります。

駅前商店街などは隣の建物と接して建ってますが、こうした場所が建ぺい率100%となっている地域と考えれば良いでしょう。

容積率の制限

建ぺい率(緩和措置)と異なり、容積率は指定容積率より低くなる措置を問う問題が出題されます。ポイントは以下のとおりです。

例えば、指定容積率が400%、前面道路の幅員が6m、法定乗数が10分の6の近隣商業地の場合、基準容積率=6(m)× 6/10=360%ですが、「360% < 400%」となるため、360%が容積率となります。

なお、法定乗数は問題文で与えられるので暗記不要ですが、住居系の地域の場合は10分の4、それ以外(商業系等)の地域の場合は10分の6になります。

以下の動画では、実際のFP3級実技試験の問題を用いて解説していますので、よろしければご視聴ください。

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